特別講演

特別講演講師

 信州大学医学系研究科 スポーツ医科学講座
 NPO法人熟年体育大学リサーチセンター

能勢 博 氏

演題

 10歳若返る!「インターバル速歩」
 −生活習慣病・介護予防のための新しい運動処方システム−

開催日・日時

 平成30年6月1日(金) 16:30〜18:00

会場

 8階大ホール

特別講演概要

 ヒトの体力は20歳代をピークとし,それ以降10歳加齢するごとに5〜10%ずつ低下する。そして,体力が20歳代の30%以下にまで低下すると要介護状態となる。一方,この体力低下に比例して高血圧,高血糖,肥満などの生活習慣病が発症するのは興味深い。事実,加齢による体力低下と医療費の上昇は非常に良く相関する。
 そこで,我々は,インターネットを用いた遠隔型個別運動システムを開発し,7,300名の中高年者を対象に「インターバル速歩」による体力向上が生活習慣病に与える効果を検証した。その結果,5ヶ月のトレーニングによって体力が10%増加し,生活習慣病の症状が20%軽減し,慢性関節痛・うつ指標が50%改善し,医療費が20%削減された。以上,体力維持・向上こそが生活習慣病の予防,治療に重要であることを明らかとなった。
 さらに,最近,インターバル速歩と乳製品を併用することによって,血液量の増加が促進し,熱中症予防に効果があること,さらに,このプロトコールは,体内の慢性炎症反応を抑制し,生活習慣病の諸症状の改善を促進することが明らかとなった。
 本発表ではこのシステムの現状と将来展望についても述べる。

【著書】
「いくつになっても自分で歩ける!『筋トレ』ウォーキング」(青春出版社)
「山に登る前に読む本」(講談社)
「もう山でバテないーインターバル速歩の威力−」(山と渓谷社)など。